しおが淺野さんに向かって、身を乗り出している。
テーブルの上にうつ伏せにおいてやると、腹ばいになって身を起こす。
「こっちにくるかい?」
淺野さんが両手を揃えて、テーブルを優しく叩いた。
しおは声で、目で、表情で、その音に反応する。
あー きゅっ にっこりと笑って
そっちに行きたそうに
どうしたらいいかを考えている
片手を伸ばす
その反動で 両方の手が浮いて
パラグライダーのポーズになる
手と足をバタバタさせて
それからまた両手をついて持ち直す
私はその時間の中に
永遠にとどまっていたいと思う。
永遠にとどまっていたいと思う。
やがて お尻が片方だけ わずかに持ち上がる
彼女は手を宙に伸ばして
時間を前に手繰り寄せた