2/18 空の上→晴 #140字日記 サンフランシスコ到着。こっちはまだ2月17日の夕方。 空港の大きな窓。空が次第に暗くなっていく。 英語とスペイン語とアジアの言葉、日本語も聞こえてくる。 独特にフレンドリー。少しだけ遠い。いつのまにか、 4年ぶりのアメリカ。
(140字日記は、日々のリズム刻んでくれるかもしれない。)
電車の中でうとうとしていたら、エクスキューズミー? と、中国人の男の子がわたしのスーツケースを渡してくれた。 どうやら転がってしまったみたい。 お礼を言うと彼は斜め前の中国人グループの中に帰っていった。 どこに旅行した帰りなんだろう。高校生か大学生のあどけなさ。 英語と母国語を自由に操つって、彼らは楽しそうに笑う。 カルフォルニアだなと、思った。
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「鍵置いとくから、勝手に入っていいよー。」 住所と地図を頼りにやってきた先輩宅。誰もいないのに、 いらっしゃい!って言ってくれているような。たくさんの写真。 そこにある空気があったかくて、ほっとして、なんか泣きそうだ。 こんな家を作りたいって、思ってたんだ。
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夕食を食べに外に出た。
センスなさすぎって言われてボツになったけど、最初「10年後、 ともに会いに」のタイトルは「リビングルームストーリー」 もしくは「居間での会話」にしようかなと思ってた。 という原点を、思い出させてくれるようなリビング。
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夕食を食べに外に出た。
性も人種も... アイデンティティってのはグラデーションなんだなと。
そう思える街。レインボーの旗が揺れる。
そう思える街。レインボーの旗が揺れる。
どこに行っても、どこに住んでも、いいんだよなー、と思う。
お金さえ稼げたら、どこにだって住めるのになあ。
あの時は朧げにしか見えなかった資本主義の根底にあるルールが
一巡りした今、はっきりと重みのある存在として体の中にある。
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一巡りした今、はっきりと重みのある存在として体の中にある。
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10年前、ミネソタの大学を卒業して日本に戻る際
私はサンフランシスコで一泊できる便を探した。
3年半で大学を卒業することを決めた時、
せっかくならこの街を経由したいと思った。
街中のゲストハウスまでどうやって行ったのかは
覚えていないけれど街には生暖かい風が吹いていて、
宿は陽気な若者たちで盛り上がっていた。
どんよりと重い灰色の空に
雪混じりの静かな雨が降っていた街からやってきた私は
分厚いコートを脱げることに感動しながらも
住んでいた街の空気までは脱げなかった。
旅先でゲストハウスに泊まるのはとても好きなのに
積極的に交流する気にはなれず、2段ベッドの上に寝転んだまま
さっき別れてきたばかりの恋人に宛てたメールをなんども、なんども推敲した。
1日街を歩いて、東京に帰った。
サンフランシスコは、高校・大学と7年間を過ごしたアメリカからの出口だった。
東京で就職して、給料と休みを得られるようになって、
毎年数日はアメリカに友人たちを訪ねに行っていたけれど
4年前にフリーランスになってからはやめていた。
同じお金を使うなら、取材のために。
そう思うと、アフリカやアジアに足が向かい、アメリカは遠のいた。
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10年前に出てきた時と同じ経路でアメリカに戻る。
今回は3週間の取材旅。
一昨年から取材しているあるグループを追いかけて、
サンフランシスコからアメリカに入り、ミネソタに行く。
偶然にも10年前と同じ季節に
あの時アメリカを出た自分を逆向きになぞることになった。
私はサンフランシスコで一泊できる便を探した。
3年半で大学を卒業することを決めた時、
せっかくならこの街を経由したいと思った。
街中のゲストハウスまでどうやって行ったのかは
覚えていないけれど街には生暖かい風が吹いていて、
宿は陽気な若者たちで盛り上がっていた。
どんよりと重い灰色の空に
雪混じりの静かな雨が降っていた街からやってきた私は
分厚いコートを脱げることに感動しながらも
住んでいた街の空気までは脱げなかった。
旅先でゲストハウスに泊まるのはとても好きなのに
積極的に交流する気にはなれず、2段ベッドの上に寝転んだまま
さっき別れてきたばかりの恋人に宛てたメールをなんども、なんども推敲した。
1日街を歩いて、東京に帰った。
サンフランシスコは、高校・大学と7年間を過ごしたアメリカからの出口だった。
東京で就職して、給料と休みを得られるようになって、
毎年数日はアメリカに友人たちを訪ねに行っていたけれど
4年前にフリーランスになってからはやめていた。
同じお金を使うなら、取材のために。
そう思うと、アフリカやアジアに足が向かい、アメリカは遠のいた。
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10年前に出てきた時と同じ経路でアメリカに戻る。
今回は3週間の取材旅。
一昨年から取材しているあるグループを追いかけて、
サンフランシスコからアメリカに入り、ミネソタに行く。
偶然にも10年前と同じ季節に
あの時アメリカを出た自分を逆向きになぞることになった。
何か意味があるのだと思う。
何者になりたいか全くわからなかったあの頃とは違い
何になりたいかはわかっている。その為の取材。
一度出た同じ扉を開けて、新しい目的と文脈を持って
遡っていく旅の始まり。
遡っていく旅の始まり。