出張の終盤。
真夜中に目が覚めたら波の音がして
ふと昨年の夏を思い出す。
命がゆっくりと前に進んで行くのを感じた
島根への帰省の旅のこと。
あのときと同じ、波音の力を借りて
夫と私、それぞれのおじいちゃんが亡くなった冬を
はじめて穏やかな気持ちで受け入れている。
ゆっくりと生きていこうと決めた。
もう忙しさに酔いしれなくていい。
予定がびっしり埋まった手帳が大好きだったけど
余白がたっぷりとあって 終わりの時間を気にせずに
目の前の人の話を聞ける時間の使い方をしたい
そういう優しい時間ににじみ出てくる言葉を
葉からこぼれ落ちる雨粒のように
ひとつ、ひとつ受け止めて
澄んだ水で手のひらをいっぱいにして
必要としている人に飲ませてあげたい。
その相手はきっとどこにでもいる、私のようなひと。
20代の頃、大切な人がひとりまたひとりと
この世を去って行くのを見送りながら
残りの時間をどう生きたいかを考えていて
最初は生き急いだ 全部やりたかった
でもおじいちゃんたちの長い人生は
ただ自分の道を生きて行くことを肯定してくれた
誰かと話すたびに、
やりたいことは相変わらず
星の数ほど沸いてくるけれど、
そのいくつかが手のひらからこぼれ落ちていくことを
少しは許せるようになってきた。
残された時間は長いかもしれないし短いかもしれない
どちらにしてもやることは変わらない。
たいして大きくはならなかった
この、愛おしい手の平の中を
言葉の泉でいっぱいにしたい。
●
真っ暗な部屋の中で、
半分眠りの中のような、
それでいて一番覚醒していて
確かな気持ちが在る時間の中で思ったことの記録。
真夜中に目が覚めたら波の音がして
ふと昨年の夏を思い出す。
命がゆっくりと前に進んで行くのを感じた
島根への帰省の旅のこと。
あのときと同じ、波音の力を借りて
夫と私、それぞれのおじいちゃんが亡くなった冬を
はじめて穏やかな気持ちで受け入れている。
ゆっくりと生きていこうと決めた。
もう忙しさに酔いしれなくていい。
予定がびっしり埋まった手帳が大好きだったけど
余白がたっぷりとあって 終わりの時間を気にせずに
目の前の人の話を聞ける時間の使い方をしたい
そういう優しい時間ににじみ出てくる言葉を
葉からこぼれ落ちる雨粒のように
ひとつ、ひとつ受け止めて
澄んだ水で手のひらをいっぱいにして
必要としている人に飲ませてあげたい。
その相手はきっとどこにでもいる、私のようなひと。
20代の頃、大切な人がひとりまたひとりと
この世を去って行くのを見送りながら
残りの時間をどう生きたいかを考えていて
最初は生き急いだ 全部やりたかった
でもおじいちゃんたちの長い人生は
ただ自分の道を生きて行くことを肯定してくれた
誰かと話すたびに、
やりたいことは相変わらず
星の数ほど沸いてくるけれど、
そのいくつかが手のひらからこぼれ落ちていくことを
少しは許せるようになってきた。
残された時間は長いかもしれないし短いかもしれない
どちらにしてもやることは変わらない。
たいして大きくはならなかった
この、愛おしい手の平の中を
言葉の泉でいっぱいにしたい。
●
真っ暗な部屋の中で、
半分眠りの中のような、
それでいて一番覚醒していて
確かな気持ちが在る時間の中で思ったことの記録。
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